空き巣被害が増加している昨今、防犯対策って気になりますよね。
「高額な防犯システムは手が出ないけれど、家族の安全は守りたい…」「防犯フィルムを貼ろうと思うけど、デメリットってあるの?」
そんな悩みや不安を少しでも払しょくできるように、防犯フィルムの知られざるデメリットと、失敗しないための選び方のポイントを詳しくご紹介します。
何かあってからでは遅いので、早めに防犯対策をしておきましょう。
防犯フィルムのデメリット
まずは防犯フィルムのデメリットについて、1つづつ解説しますね。
防犯フィルムは万能ではない
- 防犯フィルムは、ガラスが割れるのを完全に防ぐわけではなく、「割れても侵入に時間がかかる」という遅延効果が主な目的。
- 防犯フィルムだけでなく、補助錠や防犯カメラ、センサーライトなどと組み合わせるのがおすすめ。
フィルムの貼り付けに技術が必要
- フィルムの貼り付けに気泡やシワが入ると防犯効果が低下するため、施工には注意が必要。
- DIYで貼ることも可能だが、高性能なフィルムほど専門業者に依頼する方がおすすめ。
正直なところ、DIYでの施工も可能なんですが、思った以上に難しかったという声が多く、特に窓全面に貼る場合は、うまくいかないことが多いようです。
コストがかかる
- 高品質な防犯フィルムは比較的高額で、特にCPマーク付きの製品や厚みのあるフィルムは初期投資が必要。
- 貼る窓の枚数が多いほど費用がかさむ。
防犯フィルムが貼れる窓に制限がある
- 凹凸のあるガラスや湾曲ガラスには貼り付けが難しく、一部の窓では対応できない場合がある。
防犯フィルムの耐久性と劣化
- 防犯フィルムは経年劣化し、効果が低下することがある。定期的な交換やメンテナンスが必要。
- 紫外線や気温差の影響で、フィルムが変色したり剥がれることがある。
ガラスの熱割れリスク
- フィルムを貼ることでガラスが熱を吸収しやすくなり、ペアガラスや網入りガラスでは熱割れが発生する可能性がある。
※熱割れ:ワイヤー入りガラスなどが太陽で温められると、ワイヤーが伸縮して、ガラスが自然に割れる現象
窓の開閉の影響
- 引き違い窓など、ガラスの隙間が狭い場合はフィルムの厚みが影響し、開閉がスムーズにできなくなることがある。
防犯フィルムのメリット
防犯フィルムのデメリットはあるんですが、それでも、防犯フィルムを貼ることのメリットは絶大です。1つづつ確認しましょう。
防犯効果を高める
- ガラスの割れを防ぎ、侵入を遅らせる。
- 空き巣は侵入に時間がかかると諦める傾向があるため、防犯フィルムを貼ることで家の防犯性を大幅に高められる。
ガラスの飛散防止
- 地震や台風などの自然災害でガラスが割れても、破片が飛び散りにくくなり、安全性が向上する。
目に見えない防犯対策
- フィルムは基本的に透明なため、家の外観を損なうことなく防犯性を高めることが可能。
- 外から貼っていることが目立ちにくい製品も多い。
紫外線カット
- 一部の防犯フィルムは、紫外線をカットする機能があり、室内の家具やフローリングの日焼け防止にも役立つ。
既存の窓に取り付けるだけで手軽に導入できる
- 貼り付けるだけで手軽に導入できるため、費用対効果が高い。
- 窓ガラスを防犯性能の高いもの(強化ガラスや防犯合わせガラス)に交換せずに、現在の窓に追加する形で利用できる。
防犯フィルムのCP認定とは?
- CPマークは「防犯性能の高い建物部品」の認定マークで、警察庁や国土交通省などが共同で運営する認定制度に基づいています。
- CPは「Crime Prevention」の略で、一定の防犯性能基準を満たした製品にのみ付与されます。
CPマーク付き防犯フィルムの特徴
1.防犯性能が第三者機関で検証されている
- 公的機関による厳しい試験(侵入までに5分以上の耐性があることが基準)をクリアしています。
- 空き巣などは侵入に時間がかかると諦める傾向があるため、「5分耐性」が重要とされています。
2.信頼性の高さ
市場には多くの防犯フィルムが存在しますが、CPマーク付き製品は一定の基準を満たしていて、品質が保証されています。
安価な防犯フィルムの中には、十分な耐久性を持たない製品もあるので、安心して選ぶことができますね。
3.強度や厚みが高い
CPマーク付き防犯フィルムは、通常200~350μm(0.2~0.35mm)以上の厚みを持つ高品質なフィルムが多いです。
特殊な構造や素材を使用しており、ガラスの破損や貫通をより効果的に防ぎます。
4.推奨される取り付け方法
CPマーク付き防犯フィルムは、防犯効果を最大限に発揮するために、正しく貼り付ける必要があります。
貼り付け時には、メーカー推奨の施工業者に依頼することで認定基準の性能を維持できる場合もあります。
5.保険の割引対象になる場合もあり
CPマーク付きのフィルムは保険の割引対象になる場合もあり、トータルコストの面でもメリットがあります。
CPマークがない防犯フィルムとの違い
項目 | CPマーク付き防犯フィルム | CPマークなしの防犯フィルム |
---|---|---|
認定基準 | 公的機関による性能試験をクリア | 基準は製品ごとに異なる |
信頼性 | 高い信頼性 | 製品によって性能が不明瞭 |
厚み | 厚い(200μm以上が多い) | 製品により厚みにばらつきがある |
施工の推奨方法 | 専門業者による施工を推奨 | DIY施工が可能な場合も多い |
価格 | 高め | 比較的安価な製品もあり |
選ぶ際の注意点
防犯性能を確実に高めたい場合、CPマーク付き防犯フィルムは信頼性の高い選択肢といえます。
- 窓のサイズや侵入口となりやすい部分を考慮して、適切な製品(サイズ)を選ぶことが大切です。
- CPマーク付き製品は、性能が保証されている一方でコストがやや高めです。費用対効果を検討して購入してくださいね。
取り付けが難しい窓の条件と対策法
防犯フィルムの取り付けが難しい窓もあります。対応策も含めて、解説します。
凹凸のあるガラス
型板ガラス、すりガラス、ステンドグラスなど、凹凸があるとフィルムが密着しにくく、隙間ができやすいため、防犯性能が発揮されません。
【対応策】
- 凸凹ガラス用の防犯フィルムを選ぶ
- 凹凸面に貼るのではなく、内側に平滑なアクリル板を設置し、その上に防犯フィルムを貼る方法も
網入りガラス
網入りガラスは強度が高いように見えますが、割れると網目部分からフィルムが剥がれることがあります。
また、網入りガラスは熱割れ(温度差によってガラスが割れる現象)が起きやすいため、防犯フィルムの貼り付けで熱割れリスクが増加する場合があります。
【対応策】
- 網入りガラス用の専用フィルムを選ぶか、熱割れ対策が明記された製品を使用する
複層ガラス(ペアガラス)の一部
ペアガラスは2枚のガラスの間に空気層やガス層があるため、外側・内側どちらか片方にしか貼れません。
また、ペアガラス自体に既存のコーティング(Low-Eガラスなど)がある場合、フィルムを貼ると断熱効果が損なわれたり、熱割れが発生する可能性があります。
【対応策】
- 室内側のガラスに貼る
- ペアガラス対応の防犯フィルムを選ぶ
特殊な形状の窓や劣化した窓ガラス
丸窓、アーチ型の窓、曲面ガラスは、フィルムは平面のガラス用に設計されているため、湾曲や特殊な形状には貼りにくいです。
また、古いガラスは既に傷や劣化が進んでいることがあり、フィルムを貼ることで割れるリスクがあります。
【対応策】
- 専門業者に依頼する
- ガラスを新しいものに交換してから防犯フィルムを貼る
フィルムを貼ると開閉が困難になる窓
引き違い窓やスライド窓でガラスがぴったりはまっている場合、フィルムの厚みにより窓の開閉がスムーズにできなくなることがあります。
【対応策】
幅に余裕があるか確認し、必要に応じて専門業者に調整してもらう。
防音・防虫シートや日除けフィルムが既に貼られている窓
既存のフィルムがある場合、重ね貼りは基本的にできません。既存のフィルムが剥がれたり、接着が不十分になることがあります。
【対応策】
- 既存のフィルムを完全に剥がしてから新しい防犯フィルムを貼る
防犯フィルムを効果的に活用するためのポイント
1.窓全体に貼る
部分貼りでは防犯効果が低下するため、窓全体にしっかりと貼るのがおすすめです。
2.適切な厚みを選ぶ
厚さ200μm以上の製品がおすすめ。家の中で侵入されやすい、不安な場所があれば、CPマーク付きなどの厚いフィルムも検討するようにしてください。
3.他の防犯対策と併用
フィルムだけでなく、補助錠や防犯カメラ、センサーなどと併用することで、総合的な防犯性能を高めると安心です。
防犯フィルムのまとめ
防犯フィルムは手軽に導入でき、侵入を遅らせたりガラスの飛散を防ぐなど、多くのメリットがあります。
ただし、単独での防犯対策としては不十分な場合があるため、他の防犯設備と併用することをおすすめします。
100均の防犯フィルムは、一般的な防犯フィルムの半分くらいの厚みです。どちらかと言えば「ガラスの飛散防止用」なので、窓ロックなどと併用するようにしてくださいね。